今回は、見積管理アプリに実装する以下機能の内、見積書作成機能を作成します。
- 見積書作成機能: 見積書を出力するための管理項目を作成します。
- 見積明細編集機能: 見積書の明細部分を同じ画面で一括編集できるようにします。
- 見積書出力機能: 見積管理アプリからExcelで作成した見積書テンプレートに出力します。
- 承認ワークフロー機能: 顧客に見積提示する前にライン上の承認申請を行います。
見積書テンプレートの準備
見積書が最終アウトプットになるため、見積書に出力する項目を決めます。
Microsoft社が提供してるOfficeテンプレートを利用し見積書をテンプレート化します。
そのままでは使いずらいので少し修正します。
- 発行日・Noを外出しします。
- 数量と単価の間に単位を追加します。
- 備考のセル結合範囲を調整します。
なお、見積管理アプリで管理する項目は黄色の項目とします。

見積書作成機能の機能要件
機能要件は以下の通りです。
- 見積ヘッダー(見積管理アプリ)と見積明細(見積明細アプリ)に分けます。
- 見積書に必要な項目を作成します。
- 見積番号(No)は自動採番とします。
- 見積管理アプリと見積明細アプリを連携します。
- 顧客名は顧客情報アプリと連携します。
見積管理アプリの設計
項目名 | 型 | 必須 | 読取 | 重複 | 採番 | 規定値 | 選択肢 | 検索 |
発行日 | 日付 | |||||||
見積番号 | タイトル | ☑ | ☑ | ☑ | 自動 | |||
顧客名 | 分類 | 顧客情報 | ☑ | |||||
件名 | 分類 | |||||||
納期 | 分類 | |||||||
納品場所 | 分類 | *1 | ||||||
支払条件 | 分類 | *2 | ||||||
見積期限 | 分類 | *3 | ||||||
見積金額(税抜) | 数値 | ☑ | ||||||
消費税率 | 数値 | |||||||
消費税 | 数値 | ☑ | ||||||
見積金額(税込) | 数値 | ☑ | ||||||
見積明細 | リンク | |||||||
備考 | 説明 | |||||||
コメント | コメント |
*2 支払い条件には「検収月末締め翌月末銀行振込」を規定値として設定します。
*3 見積期限には「発行日から1ヶ月」規定値として設定します。
見積番号は自動採番機能を使って、M[yyyy]-[NNNN]を設定します。リセット種別は年で規定値・ステップは1とした場合、M2025-0001となります。

見積金額(税抜)は、見積明細アプリ作成後、サマリ機能を使って見積明細アプリの金額を集計します。

消費税と見積金額(税込)は計算式機能を使って計算を行います。

見積書としては全項目が必要なので必須としたいですが、下書き等、何度か編集する可能性があるので必須を最低限としています。

見積明細アプリの設計
項目名 | 型 | 必須 | 読取 | 重複 | 採番 | 規定値 | 選択肢 | 検索 |
見積番号 | 分類 | 見積管理 | ||||||
No. | 分類 | |||||||
項目 | 分類 | |||||||
数量 | 数値 | |||||||
単位 | 分類 | |||||||
単価 | 数値 | |||||||
金額 | 数値 | ☑ |
金額は計算式機能を使って計算を行います。
金額は、見積管理アプリの設計でも説明した通り、サマリ機能を使って見積管理アプリの見積金額(税抜)に設定します。
顧客情報アプリの実装
顧客情報アプリはプリザンターが提供してるテンプレートをそのまま利用します。
作成方法は「はじめてのプリザンターアプリ作成:商談管理1」の「商談管理をテンプレートから作成する」を参照ください。
見積管理アプリの実装
- 適当なフォルダーを作成し、そのフォルダーに移動後、画面左メニュー上部にある新規作成ボタン(+)をクリックします。
- 標準タブにある記録テーブルをクリックし、画面下部の作成ボタンをクリックします。

- アプリのタイトルを入力して、作成ボタンをクリックします。

- 見積管理アプリが作成できました。

- 見積管理アプリをクリックすると一覧画面が表示されます。

- 画面左メニューの設定ボタンをクリックします。

- テーブルの管理をクリックし、エディタータブを選択します。

- 上記「見積管理アプリの設計」の項目を作成します。
- タイトル・コメント以外を選択し無効化ボタンをクリックすると右ペインに移動します。
タイトル(見積番号)の設定
- タイトル選択後、詳細設定をクリックします。
- 上記「見積管理アプリの設計」のタイトル仕様を設定します。
- なお、スタイルはワイドからノーマルに変更します。

- 自動採番タブを選択します。
- 自動採番の仕様は、M[yyyy]-[NNNN]とします。


- 変更ボタンをクリックして、エディタ画面に戻ります。
残りの項目の設定
- タイトル以外の残りの項目を作成します。
- 上記「見積管理アプリの設計」の項目の型を見ながら右ペインの項目を選択し作成します。

顧客情報アプリの会社名を選択するために顧客名の選択肢の設定が必要です。設定方法は、「はじめてのプリザンターアプリ作成:商談管理2(実装編)」の「商談管理の実装」を参照ください
計算式で消費税を設定
- テーブルの管理>計算式タブを選択します。

- 新規作成をクリックし、計算方法は「拡張」、対象は「消費税」、計算式は「見積金額(税抜) * 消費税率」、エラーを表示するは☑を設定し、追加ボタンをクリックします。

計算式で見積金額(税込)を設定
- 消費税同様に、見積金額(税込)を設定します。
- 新規作成をクリックし、計算方法は「拡張」、対象は「見積金額(税込)」、計算式は「見積金額(税抜) + 消費税」、エラーを表示するは☑を設定し、追加ボタンをクリックします。

- 消費税・見積金額(税込)の計算式が設定されました。

画面レイアウトの確認
- 全ての項目を設定したら画面下部の更新ボタンをクリックしてください。
- 画面左メニュー上部にある新規作成ボタン(+)をクリックして見積管理アプリの編集画面のイメージを確認します。

入力エリアのサイズは「スタイル」を変更します。また、「スタイル」がノーマルだと前の項目に回り込みが発生するので、「回り込みしない」を☑すると下段に表示されます。
見積明細アプリの実装
見積管理アプリの実装を参考に見積明細アプリの実装を行ってください。
見積管理アプリの見積番号を選択するために見積番号の選択肢の設定が必要です。設定方法は「はじめてのプリザンターアプリ作成:商談管理2(実装編)」の「商談管理の実装」を参照ください。
計算式で金額を設定
- 計算方法は「拡張」、対象は「金額」、計算式は「数量 * 単価」、エラーを表示するは☑を設定し、追加ボタンをクリックします。

サマリ機能で金額の合計を見積管理アプリの見積金額(税抜)に設定
- テーブルの管理のサマリタブを選択します。

- 新規作成をクリックし、データ保存先のサイトは「見積管理」、項目は「見積金額(税抜)を設定、見積明細のリンク項目は「見積番号」、サマリ種別は「合計」、サマリ項目は「金額」を設定し、追加ボタンをクリックします。
画面レイアウトの確認
- 全ての項目を設定したら画面下部の更新ボタンをクリックしてください。
- 画面左メニュー上部にある新規作成ボタン(+)をクリックして見積明細アプリの編集画面のイメージを確認します。

見積管理アプリに見積明細を追加
見積管理アプリから見積明細を作成するため見積明細のリンクを設定します。
- 見積管理アプリで見積明細を登録できるように変更します。
- 見積管理アプリのテーブルの管理でエディタ編集します。
- 選択肢の一覧からリンクを選択します。

- 見積明細を選択し有効化をクリックします。
- 左ペインの見積明細を有効期限と備考の間に移動して画面下部の更新ボタンをクリックします。
- 画面左メニュー上部にある新規作成ボタン(+)をクリックして見積管理アプリの編集画面のイメージを確認します。

- レコードが作成されていないので、見積明細が表示されません。
- 画面下部の作成ボタンをクリックします。

- 見積番号が自動採番され、見積明細のリンクが表示されました。
- 見積明細リンクの+見積明細をクリックします。

- 見積明細アプリの編集画面が表示されました。
- 見積明細を登録し画面下部の作成ボタンをクリックします。

- 見積明細が作成され見積明細リンクに見積明細データが表示されました。
- 画面下部の更新ボタンをクリックし保存します。
- なお、リンク情報がデフォルト設定となっているため変更します。
- 見積明細アプリのテーブルの管理画面を表示し、リンクタブを選択します。
- リンクタブの現在の設定ペインを見積管理アプリの見積明細リンクで表示したい項目に置き換えます。

- 画面下部の更新ボタンをクリックし、パンくずリストの見積管理フォルダーをクリックします。
- 見積管理アプリをクリックし、一覧画面で先ほど作成したデータをクリックします。

- 先ほど設定したリンク情報に更新されているのを確認します。
- 画面下部の戻るボタンをクリックし、一覧画面に戻ります。
- 一覧画面の項目もデフォルト設定になっているため変更します。
- 見積管理アプリのテーブルの管理画面を表示し、一覧タブを選択します。
- 一覧タブの現在の設定ペインを一覧で表示したい項目に置き換えます。

- 画面下部の更新ボタンをクリックし、パンくずリストの見積管理をクリックします。

- 先ほど設定した一覧情報に更新されているのを確認します。
まとめ
見積書作成機能が完成しましたが如何でしたでしょうか。
あらかじめ、「はじめてのプリザンターアプリ作成:商談管理1」から「はじめてのプリザンターアプリ作成:商談管理2(実装編)」を学習された方であれば、そんなに難しいことはなかったかと思います。
今回は、見積書のヘッダー部分である見積管理アプリと見積書の明細部分である見積明細アプリの2つをリンクする形で学びましたが、明細編集が少しやりずらい場合もあるので、次回は見積書を作成するイメージで見積管理アプリだけで見積明細を編集できるようにしたいと思います。