はじめてのプリザンターアプリ作成:商談管理2(要件定義編)

商談管理
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商談管理アプリの要件定義を行います。

ビジネス要件

今回はチュートリアルということで、以下、脱Excelをテーマに課題を定義しました。

  • 現在、Excelで商談管理を行っているが営業部・開発部で夫々管理しており共有できていない
  • データも増え、且つ、古いPCもありExcelの起動に時間がかかる
  • 複数人による同時編集が行えない
  • アクセス権の設定がブック単位でデータ単位でできない

脱Excel対策として、ノーコードWebデータベースツールのプリザンターを導入し、業務効率化によるコスト削減と情報共有促進による機会損失改善で受注・売上の増大を図ることを目的とします。

システム要件

システム環境は、プリザンターが動作するプラットフォームとなりますが、運用が楽そうなAzureAppServiceを選択します。

Pleasanter ユーザーマニュアル | OSSのローコード開発プラットフォーム
OSSのローコード開発プラットフォーム「プリザンター」のユーザーマニュアルです。

業務要件

AsIs業務

今回はチュートリアルということで、脱Excelをテーマに以下とします。

  • システムインテグレーションを行うIT企業
  • 組織は、営業部・開発部・管理部・情報システム部
  • 商談管理は新規営業は営業部、既存営業は開発部が行っている
  • 商談管理ツールはExcelを使っているが各部で管理している
  • フェーズ管理は商談中>受注または失注の2段階で管理している

フェーズ毎の管理項目は以下の通り。

  • 商談中: 件名・内容・見積金額・仕入金額・粗利金額を登録
  • 受注: フェーズ更新のみ
  • 失注: フェーズ更新のみ

Tobe業務

Excelからプリザンターによる商談管理に変更します。

  • 商談管理と顧客情報を分離し顧客情報の一元化と他業務でも利用
  • 商談時の活動状況をコメント機能で管理
  • フェーズを細分化しメール機能による情報共有でフォロー体制を強化
  • クロス集計によるフェーズ別月別商談件数・金額を見える化

フェーズ毎の管理項目は以下の通り。

  • 引き合い: 件名・内容・顧客名・商品を登録
  • 提案: 原価見積>売価見積後、売上・仕入・商談開始日・受注予定日・確度・状況を登録
  • 交渉: 交渉による条件変更時は、状況と上記項目を更新
  • 契約: 契約手続きになったら状況を更新
  • 受注: 発注書受領時に状況を更新
  • 失注: 状況を更新

機能要件

機能要件は以下の通りです。

  • 顧客情報: 顧客情報を管理
  • 商談管理: 商談情報を管理
  • 活動管理: プリザンター標準機能、商談中の活動は商談管理のコメント機能を利用
  • 通知機能: プリザンター標準機能、商談を上司や部下と共有する場合はメール機能を利用
  • クロス集計: 営業会議用のビューを作成しクロス集計を表示
  • アクセス権限: プリザンター標準機能、営業部・開発部は更新権限、管理部は参照権限とする
  • ユーザー・グループ・組織管理: プリザンター標準機能
  • 認証機能: ID/PWによる認証

非機能要件

非機能要件は以下の通りです。

  • 性能要件: プリザンターをセットアップしたハードウェア・ネットワーク・DB性能に比例
  • 信頼性要件: プリザンターをセットアップしたハードウェア・ネットワーク環境に依存
  • 可用性要件: プリザンターをセットアップしたハードウェア・ネットワーク環境に依存
  • 保守性要件: ノーコード環境であれば容易。ローコード環境の場合はプログラムの量と質に依存
  • 拡張性要件: プリザンターをセットアップしたハードウェア・ネットワーク・DBに依存
  • 移植性要件: Windows/Linuxで.net frameworkが動く環境であれば移植可能
  • ユーザビリティ要件: html5のwebシステムの操作感で直感的に使用可能
  • アクセシビリティ要件: カスタマイズ必要だが今回は対応しない
  • セキュリティ要件: プリザンターをセットアップしたハードウェア・ネットワーク・DB環境で用意してる機能・サービスとプリザンターで用意してるセキュリティ機能があるが、今回は各部のアクセス権限のみ行う

運用・保守要件

運用・保守要件は「はじめてのプリザンターアプリ作成:商談管理2」の運用・保守に記載した内容とします。

移行要件

移行要件は以下の通りです。

  • 業務移行: 業務移行なし
  • システム移行: Excelからプリザンターへ移行
  • データ移行: 顧客情報を移行

移行計画は以下の通りです。

  • 環境: 今回はプリザンターを新規導入するため開発・受入・本番環境は1つとする
  • データ移行: 受入前に受入環境のプリザンターに顧客情報を移行する。移行方式はプリザンターのインポートを利用
  • 移行・展開: 本番運用前にテストデータ等をクリーニングする

今回、データ移行についての説明は行いませんが、プリザンター標準機能のインポート機能を使えば、例えば顧客情報アプリへの初期データ移行が簡単に行えると思います。

レコードのインポート | Pleasanter
OSSのローコード開発プラットフォーム「プリザンター」。 豊富なAPIはもちろん、独自のSQLやサーバサイドスクリプトなどバックエンドの拡張性も抜群。あらゆる業務に、素早く柔軟に対応できる高速開発を実現します。

トレーニング要件

トレーニング要件は以下の通り。

  • 時期: 受入前のYYYYMMDDとする
  • 場所: オンラインによるWEBで行う
  • 参加者: 利用者(営業部・開発部・管理部)・システム管理者(情報システム部)
  • トレーニング時間: システム管理者向けは2時間、利用者向けは1時間を予定
  • マニュアル: システム管理者向けはプリザンターサイトを利用。利用者向けは簡易マニュアルを用意
  • トレーニング方法: システム管理者向けと利用者向けにマニュアルを元にハンズオンを行う

プロジェクトマネージメント計画

プロジェクトマネージメント計画は以下の通り。

  • スコープ・マネジメント: システム要件・機能要件・ウォータホール開発・WBS
  • タイム・マネジメント: 開発工程定義・スケジュール・アクティビティ定義
  • コスト・マネジメント: 原価見積
  • 品質マネジメント: レビュー・テスト計画
  • 人的資源マネジメント: 開発体制、運用・保守体制、教育計画
  • コミュニケーション・マネジメント: 会議体、課題管理、ツール
  • リスク・マネジメント: リスク分析
  • 調達マネジメント: 開発要員、外注、仕入
  • ステークホルダー・マネジメント: ステークホルダー一覧

開発計画

開発計画は以下の通り。

  • 開発スコープ: 今回導入するシステムの範囲を定義します。
  • 開発・検証・運用環境: システム開発、ユーザー検証、本番運用する環境を定義します。
  • 開発ツール: 開発時に使うツールと運用ルールを定義します。
  • アカウント情報: 上記環境および開発ツールのアカウントを管理します。
  • 開発工程・成果物: 開発手法・工程を定義し、工程ごとの成果物を定義します。
  • 開発規約: ネーミングコンベンションやコーディングルール等を定義します。
  • 構成管理: ハードウェア・ネットワーク・ソフトウェアの構成を管理します。

テスト計画

テスト計画は以下の通り。

  • テスト体制とスケジュール: プロジェクトマネージメント計画書(人的資源マネージメント計画)およびWBSで確認
  • テスト対象リソース: WBSで確認
  • テスト環境: プリザンターをセットアップした環境
  • テスト工程: 単体・結合・システム・総合
  • テスト品質基準: プロジェクトマネージメント計画書(品質マネージメント計画)
  • テスト開始条件: 前工程が終了していること
  • テスト終了基準: テスト仕様書のテストケースが全て消化されていること。 不具合対応が完了(保留含む)してること。
  • テスト運用方法: 品質確認フローを作成

原価見積

原価見積は以下の通り。

  • 開発・運用環境コスト: プリザンターをセットアップした環境のイニシャル・ランニングコスト
  • ライセンスコスト: 無償版のプリザンターでコストは0円
  • 開発コスト: 要件定義から移行・展開までの社内員・外注コスト
  • 運用・保守コスト: 社内員・外注コスト

まとめ

今回導入する商談管理アプリは、システム規模も小さく・難易度も易しいため、要件定義にそこまでの時間を要することなく要求事項を纏めることができるかと思います。

次回は設計について説明をしていきます。

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