現在Salesforceを使っているが、局所的な業務での利用のみで、うまく活用できているのか?もっと有効活用できるのではないか?他の会社の使い方を聞いてみたい!など運用している方であれば一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
そこで今回は弊社においてSalesforceをどのように活用しているかを使い方と活用事例としてご紹介したいと思います。是非最後までお読みください!
Salesforceの使い方に正解はない
Salesforceの使い方に正解はありません。え?と思われたでしょう。正解がないというのは、万人の模範となる回答がないということです。
Salesforceは名前から連想できるように、営業支援ツール(SFA)として大変優れています。またSFAだけではなく、顧客管理(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)も可能です。カスタマイズの自由度も高く、あらゆるシステムを構築できます。そのためどう使えばいいか、自分達はうまく使えているのだろうか、といった悩みを持つユーザーの方は一定数いらっしゃるのではないでしょうか。
実際、弊社にお問合せたお客様にもそういった悩みを持つ方が多く、より活用していくためのご支援をさせていただいております。
ご支援を始めて一通りシステムについてお聞きすると、Salesforce運用開始前にしっかり練られて作られていることが多いです。そのため、もうちょっと良くなる点は見られても、間違っていることはほとんどありません。
Salesforceは年に3回バージョンアップがあり、さまざまな機能が追加されます。ITの世界もめまぐるしく進化していきます。その中で作った時点では最高のシステムであっても、2、3年後にも最高であると言い切れません。今ある状況に満足せず、常に最善を考えて自社や社会やITの進化やSalesforceのバージョンアップに合わせた最善を考えていく必要があるのではと思います。
そのためこれからご紹介する活用例もひとつの参考として、近年の状況に合わせて自社ではどうやっていくかなどを考えながら読んでいただけると幸いです。
事例から学ぶ 1)営業支援システム(SFA)
まずは営業支援システムとしての利用です。至ってシンプルで、カスタマイズもほとんどSalesforceの標準機能の範囲内で行っています。
Salesforceを導入する前は、弊社ではEXCEL(エクセル)で営業情報を管理していました。週に一度の営業会議の前に関係者が営業情報のEXCELを更新して、そのEXCELを見ながら会議を進めていくといったことをしていました。 当初は営業情報がそれほど多くなかったこともあり、管理・運用は大きな問題はありませんでした。しかし、数字や活動内容などもひとつのエクセルシートにまとめて一覧で見れるような形のフォーマットが難しく、結果として集計に時間がかかるような資料でした。
Salesforce導入後は、レポートや関連リストから顧客や案件概要、商談に紐づいた活動を様々な角度で一覧で見れるようになったため、入力も最小限で済みました。受注後の管理項目へのデータ反映などもでき、効率化が実現できました。
構築概要は、以下になります。
項目整理と画面のカスタマイズ程度です。メインとなる商談の詳細画面はタブを駆使して詳細情報をわかりやすく配置しています。主な詳細情報は以下となります。
- 商談情報
- 製品情報
- 案件情報
商談時点で得られる情報は多く、受注後もプロジェクト管理の前知識として利用できるものや、自社の実績集計として利用できるものなどがあります。タブなどでわかりやすく分けることで、情報の整理にもなります。また情報が多いため、入力しやすさも重要であるため、チェックボックスなどを多く配置しています。 活動はほとんど手を付けておらず、ほぼそのままで使用しています。
また予実管理も行っていて、見込オブジェクトがあります。商談のフェーズに合わせた売上見込情報である見込レコードが作成されます。受注確度がある程度の高さまでいくと、見込レコードはフローでより詳細に入力することも可能になっています。
上記画面で計上する組織や件名を入力し次を押下します。「次へ」ボタンで次の画面になり、詳細内容を入力します。
詳細内容を入力することで見込レコードが作成されます。
事例から学ぶ 2)勤怠管理システム
次に勤怠管理システムです。
Salesforce導入前はEXCEL(エクセル)に勤怠を入力し、印刷したものに印鑑を押して提出し、上長はそれに承認印を押して回覧していました。毎日は難しいため、週次で週報という形で提出していました。 ハンコを押すまで回覧されないため回る速度が遅く、週次とはいえ提出するタイミングが遅くなり、状況把握に時間がかかるケースがありました。また客先に駐在している社員は提出のために自社に戻ってくる必要があり、余計な移動時間がかかっていました。
Salesforce導入後は、このような問題がすべて解決され、毎日の登録を習慣づけることで、日次での状況把握が可能になりました。 コロナ禍から始めた在宅も勤怠管理に関しては特に課題もなく対応できました。
構築概要は以下になります。
TeamSpirit(チームスピリット)という製品を弊社Salesforce環境に導入しました。ここではTeamSpiritの機能詳細については説明しませんが、Salesforce画面上で、勤怠の打刻や工数入力、休暇等の申請・承認ができるようになりました。 管理者は入力された情報をSalesforceの画面やレポートで把握できます。
勤怠管理システムの導入により勤怠入力や承認などにかかる工数が半分以下になりました。
事例から学ぶ 3)案件管理システム
次に案件管理システムです。
プロジェクトマネージャーがプロジェクトを管理するシステムではなく、部門や課などでプロジェクトを複数件管理する際に使う案件管理システムです。
Salesforce導入前はプロジェクト概要をEXCELで管理し、参画メンバーの工数なども同一ブック内の別シートで管理し、完了時の実績も同一ブック内で管理していました。 また週次のプロジェクト状況を報告する会では、EXCELのプロジェクト一覧に状況を記載して会議を進めていました。EXCELファイルから別のEXCELファイルへと同じ情報を転記するような作業が散見され、二度手間やミスなどもあり非常に効率が悪いものでした。
Salesforce導入後はすべてSalesfoce側で管理され、効率化が実現されました。特にミスが減って入力する側もチェックする側もどちらも楽になりストレスも軽減されたのではないでしょうか。
構築概要は以下になります。
弊社では契約単位のプロジェクトをジョブと呼びます。ジョブのオブジェクトを作成し、タブを駆使して、今までEXCELで管理していた情報を1つのオブジェクトに収めました。このジョブのオブジェクトを中心に、以下の機能もあります。
- TeamSpiritで入力された工数実績を使ってジョブの使用工数を集計
- ジョブの活動に週次で状況を記載し、レポートを使って報告会議を運用
- ジョブ完了時の報告内容もジョブオブジェクトに入力し、承認申請もSalesforceにて行う
案件管理システムにより導入前に非効率的だったものが、一通り改善されました。今までまとめ切れていなかった情報もまとまるようになったため、新たな課題の発見などもできました。
※上部がジョブ概要、左下が詳細情報、右下が関連情報
まとめ
「Salesforceの使い方 事例から学ぶとヒントが見えるよ」と題して弊社自身の事例をご紹介しました。Salesforce導入前後の改善や弊社におけるSalesforceの使い方について、ご理解いただけたでしょうか?
弊社においても導入初期から今の形になったわけではなく、様々な改善や追加機能などを少しずつ行っていくことで、形を成してきました。まだ改善したいものやSalesforceに実装していきたい業務など、課題は残っています。「Salesforceの使い方に正解はない」と冒頭、ご説明した通り、これからも進化するために改善を続け、更なる効率化を実現していきたいと考えています。
様々な利用方法がある中で、改めてより良くしていきたいという想いがある場合は、弊社の「Salesforce伴走・開発支援サービス」をご利用を検討ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
何か少しでもヒントになっていたのであれば幸いです。
Salesforceノウハウ共有ツール「KnowhowBase」は‘ノウハウを作る、探す、活用する’をコンセプトに、Salesforceプラットフォーム上で利用できる便利な機能をご提供しています。また、「Salesforce導入サービス」 「Salesforce伴走・開発支援サービス」により、Salesforceを新規導入される方、Salesforceの定着・活用や運用保守・開発を要望される方に合ったサービスもご提案しております。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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こんにちは、マエダです。
今回はDay2のサマリです。
昨日に続き、朝は曇り空で肌寒い。お昼以降晴れて気温も大分上がりました。
Day2は以下です。
・AI Keynote
・Campground Tour
・Salesforce HQ Tour
・Architect Session
ちなみに、AI Keynoteはタイミングの関係で同時通訳が入る位置に位置どりができず、英語が苦手な私だとヒアリングしきれず…(反省)
あと、ほんとはPlatform Sessionも聞く予定だったのですが、そのタイミングで体調が悪くなってしまい聞けず。。。
これらは明日のWrapupセッションで情報を整理したいと思います。
この記事ではその他の事項に触れていきます。
●Campground Tour
メイン会場3つのうちのMoscone Northで実施されているCampground。展示場ですね。
Campgroundは実は6年ほど前に別の研修の一環でDay3のみお邪魔していたのですが、やはり規模が大きい!!広い!!
今回はそんなCampgroundのブースを日本語の解説つきで回るツアーの1つであるSlack&Tableauに申し込みました。
☆Slack
・Slackワークフローを活用することによりSalesforceにログインすることなく業務が完結できる
・AIを活用することでSlack上に散らばる情報の収集を効率化できる
といった部分をデモで見せていただきました。
続いてTableau
☆Tableau
・AIを利用することで、現在見ているデータの予測や、今見ている人に併せた推奨のダッシュボードなどを構築ができる、といった機能のご紹介
・Tableau Publicには色々なテンプレートが公開されており、インストールするだけで活用ができる
・また、自分で作ったものをテンプレートとしてTableau Publicに公開ができる
Tableauのデモブースで印象に残ったのは、ジブリ作品の興行収入を画像などを使って可視化するというものがTableau Publicdで公開されているようです。
こういったお遊び?なモノもあるみたいですね。
テンプレートも有用そうなものをベースに作成したら色々と便利と思うので、帰国したらチェックしてみようと思います。
●Salesforce HQ Tour
Salesforce本社であるSalesforce HQ(Salesforce Tower)にお邪魔させていただきました。
この地域では一番高いビルらしく、56階(だった気がする)のOhana Floorは360度で景色が見れるようになっています。
ゴールデンゲートブリッジとアルカトラズ島も見えました。…が、上った時はちょっと雲が多く、もやがかかってしまい残念…
アストロさんたちもそこかしこにいます。ビッグアストロさんがピアノを弾いてました。
こちらのピアノは電子になっていて、何百曲の音楽を自動的に再生できるそうです。
●Architect Session
アーキテクトセッションではData Cloudのお話。
Data Cloud Sandboxの話しが印象に残りました。
CRMのSandboxを作り、Sandbox上でData Cloudを有効化、DataKitを使って設定を反映、といった形みたいです。
Data CloudのSandboxは導入中組織へのData Cloud導入という観点だと非常に有用だなと思いつつ、FullSandboxでしか使えなさそうなのがネックですね。
あと、Day2は夜にDreamfest!!盛り上がりました。
※本日投稿の内容は、セッションを聞いていての理解なので、間違い部分がある可能性があります。
内容の間違いがありましたら後日訂正させていただきます。
こんにちは、マエダです。
2024年9月17日(火)~2024年9月20日(木)で実施されるDreamforceに参加しております。
現地の情報などをレポートできればと思います。
本日は開催前日であるDay0編。
イベント前日なのでどちらかというと参加時にこういうのが必要だよとか、前日この辺行ってみたよ的なラフなレポートです。
当社メンバーは成田空港(NRT)からサンフランシスコ空港(SFO)へ移動。
余談ですが、機内夕食のデザートがハーゲンダッツでした。嬉しい。
弊社メンバーが宿泊するホテルはパウエルストリートから近いホテルなので、サンフランシスコ空港からはBARTでパウエルストリート駅まで移動。
Clipperカードを買っておくとSuicaみたいに使えて便利です。(自販でもクレジットカードのチャージができます!)
荷物をホテルであずかってもらい、モスコーンセンターへいき、受付。前日のうちにパスを頂きます。
Dreamforceの受付は顔認証方式がメインになっていて、事前に顔写真を登録しておくと、
当日機械で認証→チェックイン完了→ID受け取るという風にかなりスムーズに終わります。
その前のむしろ手荷物でPCがセンサーに引っかかってしまうと、取り出して再度通るを毎回やる羽目になりそうなので面倒…
パスは3日間使う非常に大事なものなので、しっかりとした作りです。
日本のSWTTもこの形式にしたら大分受付楽になるんじゃないかな、と思いました。
同時通訳レシーバーも申し込んでいるので時間になったら引き取りに行き、本日イベント関係でマストの内容は終了。
チェックインから同通レシーバーの引き取りまで少し時間が空いたので、会場周辺を散策。
Salesforce HQ(Salesforce本社)は入口付近(下部写真の右奥側)に小さなショップがあります。
周辺のビル2つほどもSalesforceさんの社屋、HQの近くにはSalesforce Parkもあり、
そちらも非常に広く、でやはり企業規模の大きさを思い知ります。
明日からいよいよイベントですね。頑張ってレポートしていきたいと思います。
今回は「AgentForce」というキーワードが出てきていました。どのようなものか楽しみです!
本日は前日なので簡単ですが、以上です!
こんにちは!
Spring ’23から全てのSalesforce組織でICUロケールが有効化されますが、
一体ICUロケールとは何なのか、具体的に何が変わってどう対応する必要があるのか
まとめているサイト等が少なかったため今回はICUロケールの影響や有効化に伴う修正について
具体的な手順を踏まえてご紹介します。
目次
1.ICUロケールとは?
国や言語ごとに日付や時刻、数値などを表示するために形式を規定するものをロケールと呼び、
Salesforceでは以下の二つの形式が存在します。
一つ目はJDKロケールです。 JDKとはJava Development Kitの略称で、Oracleが提供しているJavaの開発環境に則った形式のことです。
Winter ’20よりも前に作成されたSalesforce組織で使用されていたロケールはこちらになります。
しかしこちらのJDKロケールには以下の三つの問題点があります。
・定期的な更新が行われない
・国際標準との整合性が不足
・より新しいバージョンのJDKでは使用できない
これらの理由により全ての組織が次のICUロケールへと切り替わっていくこととなりました。
ICUとはInternational Components for Unicodeの略称です。
このロケールは最新の国際標準に対応でき、国際的なメンテナンスと管理が行われているため、
JDKロケールの問題点を全て対処することが出来ます。
Winter ’20以降に作成されたSalesforce組織では、ICUロケール形式がデフォルトで有効になっています。
しかしWinter ’20以前に作成された組織においてはデフォルトがJDKロケールであり、
この更新によって既存機能が正常に動かなくなる可能性があります。
よって一部のプログラムを修正する必要が出てきます。
どちらのロケールを現在使用しているかわからない方は
こちらのナレッジ記事の対応を行って確認することが出来ます。以下がその対応となります。
組織で ICU 形式が使用されているかどうかを判断するには、リリース更新を確認します。
・[設定] から、[クイック検索] ボックスに「リリース更新」と入力し、[リリース更新] を選択します。
[アーカイブ済み] タブに [ICU ロケール形式を有効化] が表示され、完了とマークされている場合は、
リリース更新が完了しており、組織でICU が使用されています。
リリース更新カードに緑のチェックマークが付いていて、右上隅に「完了」と表示されます。
・[ICU ロケール形式を有効化] リリース更新がリリース更新コンソールの別のタブに表示されている場合は、
[開始] をクリックして更新の詳細を確認します。
「ステップバイステップガイドに従って、この変更の影響を理解して最小限に抑える」セクションに
「この更新は、テストできる状態になりました。」と表示された場合は、組織で ICU 形式が使用されています。
それ以外の場合は、組織で JDK 形式が使用されています。
2.ICUロケールの適用時期と影響
ICUロケールの適用時期について、初めはSpring ’22に適用されるという話だったのですが、
2021年11月29日にリリースノートの変更で延期がアナウンスされ、Spring ’23での適用となりました。
具体的には2023/1/10以降に適用されます。
また、この適用で何が変わり、どのような影響を受けるのかについてですが、 ロケールを日本語(日本)にしている場合、次のような変化があります。
これによってパッケージまたはコードなどで明示的に今回対象となる部分(日付等)の
フォーマット(表示形式)指定をしている場所は影響を受けることが予測できます。
3.実際に必要な作業
作業内容についてはこちらのHelpを参考に具体的な手順をまとめました。
新しいロケール形式の採用方法 また、ICUロケール有効化の際は初めにSandBoxで
確認してから本番環境の有効化を行ってください。
実際に影響を調査・修正を行う為の手順は以下になります。
- 1.ICUロケール有効化前の確認
- 2.ICUロケール有効化前のApex等のプログラム修正内容の整理
- 3.プログラムの修正
- 4.ICUロケール有効化
- 5.ICUロケール形式有効後の動作確認
- 6.本番環境へリリース、本番環境での動作確認
ICUロケール有効化前の確認 まずsalesforce組織にインストールしたパッケージについて
ICU形式と互換性がある事をパッケージプロバイダに確認しましょう。
組織へインストールしているパッケージについては、下記手順から確認して互換性を調査確認してください。
「設定」 → クイック検索ボックスに「パッケージ」を入力 → 「インストール済みパッケージ」を参照
例)パッケージ「A」と「B」をインストールしていた場合 → AとB両方のヘルプページやサポートサービスを確認する
次に下記ヘルプページによるとICU形式はAPIバージョン45.0以降で使用可能となっている為、
ICU形式が使用可能なAPIバージョンかどうかを確認する必要があります。
この際、組織とAPEXのAPIバージョンを両方確認してください。
確認は以下の手順で行います。(Salesforcdeサポートに確認済み)
1.組織のAPIバージョンが45.0以上であることを確認
2.APEXのAPIバージョンが45.0以上であることを確認(SOAP APIやREST APIも対象)
3.APEXのAPIバージョンが45.0未満である場合、その対象が外部パッケージにて利用されている場合は、
ご提供元企業様へ影響があるか確認する。
4.「APEXのAPIバージョンが45.0未満かつ外部パッケージ」以外について、
バージョンアップが必要
(バージョンアップを行わない場合、salesforceサポートは責任を持てないとのことなのでその際は自己責任となります。)
組織のAPIバージョンを確認する手順はこちらになります。
・Salesforce Classicの場合 「設定」 → クイック検索ボックス「API」入力 → 「開発」下の「API」クリック →
「Enterprise WSDLの生成」クリック → Installed Packageの一覧で「Generate」ボタンをクリック
・Lightning Experienceの場合 「設定」 → クイック検索ボックス「API」入力 → インテグレーション下の「API」クリック →
「Enterprise WSDLの生成」クリック → 「Generate」ボタンをクリック
※Sandbox環境の場合はGenerateせずにキャンセルをクリックしてください。(試したらエラーになりました。)
参考) Salesforce の Edition および API バージョンを確認する方法
ApexのAPIバージョンを確認する場合は
「設定」 → クイック検索ボックス「Apex」入力 → 「カスタムコード」下の「Apexクラス」及び
「Apexトリガ」クリック → APIバージョン45.0未満の物がないか確認する
ICUロケール有効化前のApex等のプログラム修正内容の整理
APIバージョンに問題がない事が確認できたら修正内容を整理するため、組織のロケールを取得しましょう。
下記のSOQLを実行することで組織のロケール状況を確認することができます。
SELECT toLabel(LocaleSidKey) LocaleName, LocaleSidKey, Count(id) UserCount FROM User where IsActive=true GROUP BY LocaleSidKey
このような環境の場合、日本のユーザーしかいないため先ほど確認した変更点にのみ対応します。
(他の国、言語のユーザーがいる場合はそれぞれのロケールに基づいた変更に対応します。)
変更対象となるデータ型などを確認の上、Apexや各コンポーネントにおいての使用状況を整理しましょう。
確認対象は、レポート、数式、入力規則、自動ワークフロー、項目ルックアップ検索条件等です。
どこに注意して整理すればいいのか?
・例えば月の桁数が新形式では変化しているため(01 → 1)。年月日を桁数で取っている場合などは注意します。
・検索条件でハードコード化された日時値を使用している場合、 検索条件が上手く機能せず、値を新しい形式に合わせる必要があります。
・日本ではありませんが、新しい形式で新たにカンマが追加されているロケールがあります。(英語(カナダ)等)
カンマは検索条件の区切りに使用されるため、検索条件の誤動作に気を付けましょう。
また、Apexの調査をする際には下記の対象メソッド群をGrepして検索するなどして整理します。
Date.format(),Date.parse(),DateTime.format(),DataTime.parse(),DateTime.formatLong()等
Auraコンポーネントの場合、$Localeグローバル値プロバイダがSF Platformから形式を取得して使用しているため $Localeを使用している部分がないか整理する。
→$Localeについて プログラムの修正
影響のありそうな部分を整理出来たら実際に修正していきます。
注意点や公式Helpのコード例を参考に修正していきましょう。
修正を行った後は実際に有効化を進めます。
ICUロケール有効化
下記手順に従って有効化を行います。
「設定」 → クイック検索ボックス「リリース更新」入力・選択 → 「ICU ロケール形式を有効化」 → 「使用開始」 → 手順に従って進める
※英語 (カナダ) ロケール (en_CA) では、下記に沿って個別の有効化が必要です。
「設定」 → クイック検索ボックス「ユーザインタフェース」入力・選択 → 「通貨表示設定」の「en_CAロケールのICU形式を有効化」 → 「保存」クリック
ICUロケール形式有効後の動作確認
有効化後はまず「ICUロケール有効化前のApex等のプログラム修正内容の整理」にて整理した修正対象と実際の
修正内容から、テストケースを作成して、実行します。
※この時、単体レベル(各項目が正しく修正されていること)だけでなく、業務的な面まで全体的な処理が通ることまで確認できるようテストケースを作成するようにします。
問題なければSalesforce上などで動作確認します。
この際、有効後においてもレコードの詳細画面上表示の変化を確認できませんでした。(タイムゾーンや地域で日本を指定していた場合)
例:タイムゾーンが「日本標準時(Asia/Tokyo)」、地域が「日本語 (日本)」の場合
リリース更新(ICU ロケール形式)無効:(日付項目)2021/12/24 (マイナスの通貨項目)- ¥ 1,000
リリース更新(ICU ロケール形式)有効:(日付項目)2021/12/24 (マイナスの通貨項目)- ¥ 1,000
実際に表記の変更を確認できる手段としてChatterの日付が挙げられます。
変更後は投稿日日が2021/08/25/(11:31)のような形式から以下のように年月日表記となります。
もしICUロケール有効化前の確認でサードパーティアプリケーションを使用していた場合データが新形式で解析されることを確認します。
ほとんどのインテグレーションはデータ形式を中立保存するようですが、入力または出力専用でデータ形式が設定される場合もあるとのことです。
本番環境へリリース、本番環境での動作確認
「ICUロケール有効化」を参照の上本番環境でも有効化を行い、リリースします。その後テスト同様動作確認を行いましょう。
問題がなければ対応は終了です。
4.まとめ
・今後は全ての組織がSpring’23(2023/1/10)にICUロケールへと切り替わる。
・切り替わることによって既存機能に不具合が起きる可能性がある。
・Winter ’20以前に作成された組織ではJDKロケールを使用している可能性があるため 現在の形式を確認する。
・ICUロケールを使用していない場合は手順に従って有効化を行う必要がある。
・レコードなどの表示形式は変わらないが、ロケールに基づくメソッドを使用した箇所など影響の出そうな場所を
修正する必要がある。