Salesforceを使いたい!ライセンスや価格について解説
Salesforceは世界に広く利用されているクラウドベースのCRM(顧客関係管理)プラットフォームです。1999年にアメリカで設立、2000年に日本法人が設立されました。現在は日本国内でも非常に高い利用率となっております。Salesforceは非常に多岐にわたる製品があり、これからご利用を検討されている方はどれを選択したらよいか迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで、Salesforceの利用開始前に知っておきたいライセンスや価格について解説いたします。
Salesforce(セールスフォース)を使うには?
Salesforceはクラウド上で動くサービスであり、PCやモバイルからインターネットブラウザを通してアクセス・利用します。Salesforceは多くの製品がユーザー数による月額課金のライセンス体系となっており、また契約する製品やエディション(グレード)によって利用可能な機能が異なります。
今回は、Salesforceのコア製品と呼ばれるSales Cloud、Service Cloud、Lightning Platformと、契約する際に考慮が必要なエディションに関して紹介していきます。
Salesforceのライセンスと料金 グレードもご紹介
Salesforceは製品×エディションにより料金や価格が決定します。まずは、Salesforceライセンスについて解説します。
Salesforceのライセンスについて
Salesforceのコア製品である、Sales Cloud、Service Cloud、Lightning Platformのそれぞれの特徴は下記の通りになります。
Sales Cloud(セールスクラウド)
Sales Cloudは、営業担当者の活動をサポートするための機能が提供されています。
代表的な機能として以下のようなものがあります。
- 顧客情報、担当者情報の管理
- 活動情報の管理
- 見込顧客情報の管理
- 商談情報の管理
- 売上予測管理
- レポート・ダッシュボードによる分析
Service Cloud(サービスクラウド)
Service Cloudは、顧客サービスやサポート管理に関連する機能が提供されています。
代表的な機能として以下のようなものがあります。
- 顧客情報、担当者情報の管理
- 活動情報の管理
- お問合せ情報の管理
- Webやメールからのお問合せ情報取込み
- ナレッジ(知識共有)機能
- チャットボット機能
- レポート・ダッシュボードによる分析
Sales & Service Cloud(セールスアンドサービスクラウド)
Sales CloudとService Cloudの両方の機能が使えるライセンスです。
Lightning Platform(ライトニングプラットフォーム)
Lightning Platformは自社の業務に合わせたカスタマイズを行うことに適したソリューションです。
- 顧客情報、担当者情報の管理
- 活動情報の管理
- レポート・ダッシュボードによる分析
- 個別カスタマイズのアプリケーションの構築
Lightning PlatformはStarerとPlusという2種類のライセンスがあります。違いの大きなポイントは、カスタムオブジェクト(他のシステムで言うところのデーターテーブルにあたるもの)の利用可能数の制限の違いです。Lightning Platform Startは10個まで、Lightning Platform Plusは110個までの利用が可能です。
ちなみに、Sales CloudおよびService CloudはLightning Platformの機能も含まれています。(カスタムオブジェクトのアクセス数はエディションにより利用可能数が異なります)そのため、Sales Cloudのライセンスで営業向けの仕組み+自社個別業務の仕組みといったことも実現が可能です。
また、ライセンスは組み合わせて契約することができますので、例えば、10名のうち、5名はSales Cloud、5名はLightning Platformユーザーといった用途に合わせた契約も可能です。(ただし、後述するエディションについては、統一する必要があります)
各ライセンスと利用可能な機能をまとめると下記のような図になります。
Salesforceは機能名が独特な用語になっている部分があるため、よく使う機能を簡単に解説します。
- 取引先…会社情報。顧客情報やパートナ―情報などを管理する。
- 取引先責任者…名刺情報。
- 活動/ToDo…行動計画などを管理。例えば取引先に対し、x月x日に電話する、電話した結果を入力するなどで利用
- リード…見込み顧客情報。
- ケース…お問合せ情報を管理
Salesforceのエディション(グレード)について
Salesforceを利用するには、ライセンスの他にエディションを選択する必要があります。エディションにより利用可能な機能などに制限が発生します。各ライセンスで色々と制限があるのですが、主におさえておきたいポイントについて記載いたします。
Sales Cloud、Service Cloud、Sales & Service Cloud
下に行くほどグレードが高くなります。
- Starter(過去Essentialsとも呼称)…ミニマムのエディション、クリックベースによる自動処理(フロー)の利用不可、プログラム処理の作成不可、一部の設定は作成数が1つのみに制限されているなどの制限が多い
- Professional…Starterより制限は緩和されており、作成数は緩和されている(が、上限が低い)自動処理(フロー)は作成できるが、プログラム処理の作成ができない
- Enterprise…一般的に利用が多いライセンス。プログラム開発による処理などを含むことができるようになり、カスタマイズの自由度が前2つのエディションと比較すると大幅に上がる。また、データ容量についてもStarter、Professionalよりも大幅に上がる
- Unlimited…利用可能な機能としてはEnterpriseとほぼ同等だが、作成できる項目数やデータ容量、APIコール数(外部のシステムからSalesforceのAPIをコールできる1日あたりの回数)などがEnterpriseよりも緩和される。また、Unlimited は本番環境をコピーできるFull Sandboxが1つ含まれており、ステージング環境の確保が可能である。また、サポートプランについては有償プランであるPremier Successプランが含まれており、サポートを最大限に活用した構築が可能となる。
Lightning Platform
Lightning Platformについて提供されているのは現在以下の2つのエディションです。
- Enterprise…一般的に利用が多いライセンス。利用可能な機能については、Unlimitedとほぼ同等
- Unlimited…作成できる項目数やデータ容量、APIコール数などがEnterpriseよりも緩和される。また、Unlimited は本番環境をコピーできるFull Sandboxが1つ含まれており、ステージング環境の確保が可能である。また、サポートプランについては有償プランであるPremier Successプランが含まれており、サポートを最大限に活用した構築が可能となる。
どのライセンスを選べばよいの?
利用目的に沿ってライセンスを選択しましょう。主な選び方としては下記の考え方になります。
- 営業情報の管理で使いたい →Sales Cloud
- コールセンターなどのお問合せ管理で使用したい→Service Cloud
- 営業管理やコールセンターの目的ではなく、自社独自の仕組みを作りたい →Lightning Platform
エディションについては、コストを抑えるという目的であれば、EssentialsやProfessionalを選択する形になります。しかし、フローなどの処理作成数に制限があったり、プログラム処理が作成できなかったりするケースなどは、カスタマイズ範囲に制限があるため、利用用途が限られていきます。
また、App Exchangeと呼ばれるSalesforceをより効率よく活用するためのサードパーティ製のSalesforce用アプリケーションもEssentialsやProfessionalだと利用ができません。Enterprise Edition以上である場合が、利用条件のケースとして非常に多いです。
そのため、基本的にはEnterprise Edition以上の利用を推奨しております。エディションについては、後からアップグレードが可能なので、アップグレードを視野に入れたご検討も選択肢の一つかと思います。ただし、エディションはアップグレードができてもダウングレードができないため、エディション選定の際はご注意ください。
まとめ
Salesforceのコア製品に関するライセンスや価格について説明してまいりました。Salesforceをこれから導入してくにあたり、どういった製品・エディションを選択すればよいのかご理解いただけたかと思います。
今回はコア製品を中心に説明しましたが、マーケティング用の製品や、顧客向けのポータルサイト用の製品など、付属製品も多数ございます。自社の業務をSalesforceのどの製品でどうやって実現すればいいのか? とお悩みの際は弊社にお気軽ご相談いただけますと幸いです。
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