ナレッジを作成・公開できたならナレッジを分析してみよう
こんにちは!
以前の記事から少し時間がたってしまいましたが、今回でナレッジの連載が最終回となります。
最後はナレッジの分析について。
分析できるものいろいろ
さて今まで、作成⇒公開⇒検索対策を行ってきたナレッジを分析していこうと思います。
ナレッジでできる分析は大きく分けて以下の5つです。
・記事の評価 ・記事の参照回数
・紐づくケースの数
・検索されたキーワード
・記事の最終公開日、初回公開日
もちろんカスタム項目も作成できるので、他のオブジェクト同様カスタマイズ可能です。
ではなぜ、ナレッジは標準でこれほど多くの情報が分析可能なのでしょうか?
それはナレッジのオブジェクト構造に起因します。
どうしてこんなに複雑なの
ナレッジのオブジェクト構造はこんな感じです。 複雑ですよね。
ほとんどの関連オブジェクトは「Article Types__ka」に紐づいているので、そのオブジェクトが自動で蓄積する情報を分析することができます。
ワンポイント!
以下オブジェクトに蓄積される情報はSalesforceに問い合わせたとしても削除することができません。
本番環境でのテストや動作確認を行う際には、その情報が残り続けることを念頭に置いておかないと正確に分析できなくなることがあります。
・Article Type__VoteStat(記事ごとの評価)
・Article Type__ViewStat(記事ごとの参照回数)
レポートを作ろう
いろいろ分析できるし対象のオブジェクトも多い…、となるとレポートタイプ作るのだけでも疲れてしまいますよね。
そんなときの appexchange です。
「Knowledge Base Dashboards & Reports」
https://appexchange.salesforce.com/listingDetail?listingId=a0N30000003HXO9EAO 無料アプリなので恐れずさくっとこれを入れてしまいましょう。
入れるとそれぞれこんな感じになります。
〇レポートタイプ
〇レポート
レポートフォルダとダッシュボードフォルダが作成されていますね。
レポートフォルダ「Knowledge Reports Package」には24個のレポートが作成されています。 一つ開いてみると分析可能なレベルまで作りこまれています。
こちらは最近更新されたナレッジ記事一覧です。
〇ダッシュボード
ダッシュボード フォルダ「Knowledge Dashboard」には3個のダッシュボードが作成されています。
そのうち「Knowledge – Knowledge Management」は以下のようなダッシュボードとなっています。
縦に長いので上部半分だけで割愛しますが、ナレッジの更新状況や記事のスコアゲージなど、
先ほどのレポートを使用したダッシュボードが作成されています。
他の機能と組み合わせる
前回の「ナレッジをもっと使いやすくしよう!①②」ではナレッジの検索をカスタマイズしました。
検索をより最適化するためには、以下のレポートを使用します。
・Keyword Search Result Comparison
・Keywords Not Found
どちらもレポートタイプ「Knowledge Keyword Search」から作成されたレポートです。
タイトルの通り、キーワード検索の結果記事が見つかったか、見つかっていないかを比率で確認でき、 見つかっていないことが多い場合はどのキーワードで検索出来ていないのかを確認します。
検索されているキーワードが妥当で、よく検索されているのに、適当なナレッジがヒットしていないようなら、「昇格済み検索語」や「シノニム」に追加するとより使いやすいナレッジ検索へカスタマイズしていくことができます。
できないことはある。それは仕方ない。
分析するときに他のオブジェクトとつなげて分析したくなることがありますよね。
ここで注意すべきは、ナレッジから他のオブジェクトへ参照関係は結べますが、他のオブジェクトからナレッジへは主従はもちろん、参照関係も結べません。
またいろいろな分析ができるといっても、それぞれがナレッジの子として紐づいているため、例えば「紐づくケースの数」と「ナレッジの評価」を組み合わせて分析することや、または「Article Type__ViewStat」をナレッジのカスタム項目で集計して分析することはできません。
記事の参照回数や評価などは日時情報を持たずにデータが累積していくので、今日までの累積参照回数を出すことはできますが、日毎の参照回数を出すこともできません。
できないこともありますが、それでもナレッジ関連オブジェクトの持つ情報量は多く、できる分析もたくさんあります。
まずは分析したい情報を1つカスタマイズして分析していくのはいかがでしょうか。
では、また次回。